お散歩の楽しさが身にしみて、だんだんそれに没頭してくると、街に潜む不思議なものを見つけたりすることも多くなるかと思います。特にカメラを持って歩くと、自然にそういう「?」と首を傾げるヘンなものを写真に撮り集めたりする人も少なくないのではないでしょうか?そこで行き着くのが「路上観察」、そして「トマソン」です。
そもそも「トマソン」とは、『不動産に付着していて美しく保存されている無用の長物』と定義され、高所にある扉、埋め立てられた門、用途を失ったまま残された階段などを一種の疑似芸術として鑑賞する活動をいい、写真の世界で「路上観察」と言えば、この「トマソン」の提唱者・赤瀬川源平氏の活動を指すのが一般的です。ちょっと余談ではありますが、筆者(自称 街角散策評論家・大森すみれ)が、なぜ肩書きに「路上観察」という言葉を用いなかったのかと言いますと、このトマソン活動の定義と区別し、もっと広い意味で路上の楽しみを捉えたい..という思いからでもあるのです。

さて、その「トマソン」とは如何なるものか? 実際には それらを撮影した写真を目にするのが早いでしょう。百聞は一見にしかず、です。 →[トマソンリンク]
また、「トマソン」や「路上観察」をキーワードにwebで検索すれば、かなりのヒットで関連サイトが検出されますので、興味のある人は比較的調べやすい分野でもあるでしょう。

※トマソン・・・『老人力』を代表作とする作家で、1960年代ネオダダ運動の活動でも知られる芸術家、赤瀬川原平氏の提唱する「超芸術」のこと。 しかしながら、じつは、この「トマソン」の大元の意味は、その昔 ジャイアンツで三振ばかりしていて使い物にならなかった選手・トマソン からきているのです(使い物にならない→無用の長物)。

では、以下、街角散策評論家・大森すみれがトマソン ライク(?)で取り集めてみた路上の擬似芸術をご紹介しましょう。

「傾斜地に残された門扉」

すでに家屋は取り壊され更地にされた古い住宅街の一角に、たったひとつだけ鉄の門扉が残されていました。親の代から子や孫の代に持ち主が変わり、その遺産相続問題などで土地を手放さざるを得なかったのかも知れません・・・。
【2000年12月 大田区山王4丁目にて発見】


「同潤会青山公園の滑り台」

あの、同潤会の青山アパートの敷地内にある公園。建物の老朽化が激しいため、すでに建て替えを待つばかりだからでしょうか。公園といっても、現在は一部菜園と化し、公園としての役割はほとんど果たされていません。この滑り台も、ご覧のようにプランターに化けてしまっています。
【2000年11月 渋谷区神宮前4丁目にて発見】


「理髪店の傾斜30度のサイン」

現在も営業中の理髪店に、専用のサインが2本外壁に設置されていて、そのひとつは、入り口の上に30度の傾斜角でくくりつけられていました。たぶん、当初はそのまま垂直に設置されていたのでしょうが、リフォームの際に2階の壁が短くなり、寸足らずで斜めに付け直す羽目になったのでしょう。一応サインとして機能してはいますが...。
【2000年9月 中央区築地6丁目にて発見】


「本屋さんの石の看板」

月島の西仲通商店街にある書店にて。表通りはアーケード街となっているため、店舗の入り口からは見えず、向かい側の正面からでないと気づきません。おそらく何十年も前に設置されてから、そのままの状態で放置されているのでしょう。
【2000年9月 中央区月島3丁目にて発見】


「折りたたまれたリヤカー」

これも、月島の西仲商店街の路地にありました。リヤカーを解体して使えるパーツだけを外壁の角にくくりつけ、壁掛けとして再利用されています。ただ、なぜ車輪まで必要なのかが謎です。もしかしたら、車輪がどうしても外れなかったのでしょうか?
【2000年10月 中央区月島3丁目にて発見】


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