佐々木久見子の美術紀行 7. トルコ編

トルコ楽団


奇岩で有名なカッパドキア


ウチヒサール


アヤ・ソフィア


ブルーモスク


グランバザール


ボスポラス海峡

 かなり前から私はトルコという国に興味があったように思います。その憧れの地へ昨年6月にやっと行ってきました。まさに地理・歴史・文化的にも東西の接点に位置するエキゾチックな雰囲気の国、モスクが夜に輝くイスタンブールへ入った時はついにビザンティン帝国やオスマン・トルコ(ニ大宗教)の首都にやって来たと鳥肌が立つ思いでした。

 紀元前2000年ごろ、東方からインド・ヨーロッパ語族のヒッタイト人がアナトリアに進出しはじめ、BC1600年ヒッタイト帝国を築きました。BC1269年には、世界史上初の条約をエジプトと交わしています。ギリシャとのトロイアの戦争はとても有名です。エーゲ海都市国家・バビロン・ペルシャ帝国・マケドニアのアレキサンダー大王・ローマ時代・ビザンティン時代・セルジュク・オスマン両トルコ時代と世界史でも我々が知る名前がよく出てくる国です。ノアの箱舟は、東に位置するアララット山から出たそうですが…。

 今でも地中海・エーゲ海・黒海に囲まれて、周りはギリシャ・ブルガリア・ロシア連邦・グルジア・アルメニア・イラン・イラク・シリアという土地柄です。

 私は、その西側約半分を時計回りにイスタンブール・アンカラ・カッパドキア・コンヤ・パムッカレ・エフェス・イズミール・ベルガマ・トロイ・チャナッカレと行きました。

 アンカラは現在のトルコの首都です。イスタンブールが商業の中心で猥雑で魅力的ならこちらは政治の中心で清楚で落ち着きのあるといったところでしょう。近代トルコ建国の父、ケマル・アタチュルクの霊廟や10000年前からの出土品があるアナトリア博物館を見学しました。トルコは23種類の民族が入れ替わっているそうです。

 奇岩で有名なカッパドキア(写真左)はアナトリア高原の中心200kmに広がる地帯です。約2000万年前の火山の大爆発により大量の火山灰や溶岩が時間とともに岩肌の台地を作り、軟らかいものが侵食され現在のような変化に富んだ風景となりました。一度はこの目で見たいと思いウチヒサール(写真左)・ギョレメ渓谷のフレスコ画も残る洞窟教会・キリスト教徒がアラブ人の迫害から身を守るために作った地下83000人が同時に住めたという地下都市カイマールなどを巡りました。妖精の煙突・らくだ・ナポレオンの帽子などと名の付く奇岩は、ホイップクリームやキノコの様で今でも住居になっていたりします。

 11〜13世紀セルジュク・トルコの首都で踊る宗教・メブラーナ教で有名なコンヤを通りパムッカレへ。ここは高級温泉リゾートで、ホテルには外にも中(トルコぶろ兼用)にもプールがあり丁度外のプールサイドでは結婚式もあって優雅な晩餐になりました。翌朝「綿の城」といわれる世界遺産の石灰棚に足だけですが浸かり温泉気分を味わいました。


 エーゲ海最大の都市国家遺跡群が眠るエフェス(写真上)ですが、ギリシャでもなかなか見られないような立派なものでした。保存状態も良く2ヵ所の大劇場・多数の神殿・図書館・泉・公衆便所などが見学出来ます。出土品も多くエフェス博物館にあり、私もエロスの頭像に魅せられてレプリカですが日本まで大事に抱えて持ち帰りました。

 トルコ第3の都市イズミールは、エーゲ海の商業・工業・貿易の中心で、西洋風の街並みが印象的でした。そこから車で約1時間45分ペルガモン帝国の首都ベルガマは、BC2世紀には第2のアテネといわれるほど文化・芸術の中心都市として栄えました。

 トロイほど考古学のロマンにあふれた遺跡はないと言われ、古代ギリシャの詩人ホメロスの“伝説の王国”は、BC3000年から9つの時代に分かれ、シュリーマンの発見による財宝の行方のようにまだまだ謎に包まれています。

 リゾート地チャナッカレでは、ヨーロッパ側に沈む真っ赤な夕日を眺めながら海岸沿いの戸外でロマンチックな夕食タイムでした。

 イスタンブールでは、アヤ・ソフィア(写真左)のキリスト・イスラム両宗教の混在に驚かされて、ブルーモスク(写真左)の中の美しさに感激して、ベリーダンスの踊り子さんに圧倒されて、グランバザール(写真左)や街中での買い物に興じて、モナコ公国と同じ大きさのトプカプ宮殿の広さと宝石類や各国からの贈り物にどっきりして、ボスポラス海峡(写真左)クルーズは楽しかったです。

 トルコへはリピーターが多く誰もが良い所と言うのを聞いていた私は、その意味を今でも深く感じています。トルコ人は、中央アジアから西に行ったのがトルコ人で東に行ったのが日本人と信じているらしくとても親日家が多いです。確かに海外にいるという緊張感をあまり感じない所でした。若者が多く朗らかでニコニコしています。色々な顔つき体つきの人がいますがどこかであったような気がするのです。言葉の文法が、日本語と同じ動詞が最後というのも物事を考える順番が近いのかもしれませんし気候も四季があり似ています。私もトルコへは何度か足を延ばしたいと思っています。


文、写真:佐々木久見子(ささきくみこ)

■アートフォリオのオンラインギャラリー■
では、佐々木さんの絵画を公開中

■ご感想はこちら > E-MAIL k-s-werk@msj.biglobe.ne.jp (作家本人)

2001.3.12 (C) Sasaki Kumiko , Artfolio

Goto Artfolio HOME