カピタン脇田の単身赴任日記

8 海と風と森と

文、写真:脇田安大(わきたやすひろ)
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このところの陽気により、桜も完全に散ってしまい、ツツジが次の出番を待っていますが、既に対馬ではゲンカイツツジが満開になっているようです。この対馬など、長崎は離島が多くありますが、島の経済的自立は長崎県にとって重い課題です。これら離島を考える機会として、春〜冬にかけて4回の島巡り展示会「海と風と森と」を、九州に花屋を展開する「風花」の石原和幸社長(42歳)と企画しました。今回は第一回として4月14〜16日に、長崎市の100km西に浮かぶ五島列島・福江島で開催しました。その様子を簡単にお届けします(詳しくは、6月頃に私のホームページに載せるつもりです)。下五島の福江島を基点に、夏以降、北北東の方向に移動してみたいと思っています。

■東シナ海の島・福江

福江島は、万葉集にも詠まれた歴史の古い島で、600年代には遣唐使が往来する拠点として大陸文化伝来の地となり、江戸時代には隠れキリシタンの島にもなりました。現在は、こうした歴史を秘めた静かな島となっていますが、昔同様、暖流にのって東南アジアなどからヤシの実や流木が流れ着きます。

今回は、この福江島に漂着した流木を使っての展示会です。地元有志の方々に事前に拾い集めていただいた流木を、石原氏の指導により、展示前日に一気にオブジェに組み上げました。私も、オブジェ造りを行いましたが、面白くてはまりそうな感じです。普段と違う筋肉を使うので、少し腕が痛くなりまが…。
このほか、主に現地に自生する樹木や草を用いて小さな庭を造成し、それらと私の植物画を一体として展示しました。

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■流木との相性抜群
会場の福江文化会館がある福江城(別称石田城)は、三方が海に臨むわが国唯一の海城で、黒船の襲来に備えて国防のために築かれた江戸幕府最後の城でもあります。もっとも、文化会館自体は近代的な建物で、作品数に比べて広すぎる感もありましたが、日光も差込み、雰囲気はなかなかのものです。
展示方法も、壁に整然と並べるのではなく、流木に引っ掛けて、あるものは傾いているなど、自然なニュアンスを強調してみました。私の絵は、自然界そのままの植物なので、流木との相性も良く、これまでの展示会とは、一味違ったものになったと思います。

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■展示を終えて
今回の展示によって、島の人々に、身近にある流木にも価値があること、また野生植物もよく見ると素晴らしい素材であることなどを、少し認識してもらえたのではないかと思っています。
それにしても、準備から期間中の受付、最後の片付けまで、地元の人々にお世話になりました。その御礼というほどでもありませんが、風花の石原社長と2人で、2時間の講演を行いました。はたして、受けたのでしょうか。
なお、島までの往復は、ジェットホイル「ぺがさす」であったことを、付け加えておきます。


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2000.5.4 (C) Yasuhiro Wakita
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