よかとこ長崎・カピタン脇田の単身赴任日記
10. ランタンフェスティバル

長崎も、1月15日未明から2日間にわたって雪が降り続き、13cmと34年ぶりの積雪に見舞われました。坂が多いだけに交通が混乱しましたが、雪をかぶった教会やフェニックスなど、一風変った南国の雪景色を楽しんだところです。雪がとけた1月24日からは、恒例の長崎ランタンフェスティバルが行なわれました。今回はその様子をお届けします。

長崎の中の中国
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長崎は、オランダ出島のイメージが強いのですが、江戸時代には中国との貿易も盛んで、出島同様、人工的に埋立てた「新地」があり、後背地には唐人屋敷も発達しました。現在は「新地」は中華街として料理店が立ち並んでいますが、ここで中国の旧正月を祝う「春節祭(しゅんせつさい)」が行なわれていました。これを冬場の長崎観光の目玉にしようと、平成6年に「ランタンフェスティバル」と称して大々的に行うようになったのが、その起源です。

寒い中でも心は暖か
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街の通りに飾られた1万個を超えるランタン(中国風ちょうちん)が、オレンジ色の光を放ち、寒い中でも暖かな雰囲気をかもし出します。また、いくつかの広場には龍や鳳凰、獅子など、いかにも中国を思わせるオブジェが飾り付けられます。このオブジェは、青森のネブタのように中からの光で浮かび上がるようになっていますが、紙ではなく布を張って作られ、会場に固定されて、ネブタのように引き回すこともありません。実際に作っている人は、本場台湾から出張してきます。夜になると、ランタンとオブジェの光が、長崎の街をやわらかく包みこみ、幸せな気持ちにしてくれることから、開始から8年で長崎の冬の風物詩として定着し、北の札幌雪祭りには及びませんが、15日間で60〜70万人が訪れます。

豚さんにも幸せを!
なお、メイン会場の新地湊公園の祭壇には、胴体を切り落としたブタの生首(本物!)が累々と並べられ、日本の間核とは異なるシーンも見られます。


皇帝パレード

平日は、メイン会場の湊公園を中心に中国雑技団や中国獅子舞の出し物が続きます。また、土曜日には皇帝パレードが行なわれますが、今年は長崎出身の脚本家・市川森一さん(1週目)と金子知事(2週目)が皇帝に扮し、九州各県のミスも参加するなど、華やかに繰り広げられました。日曜日は媽祖(まそ)行列で、これは航海安全の御神体である媽祖神を、長崎港に着いた唐船から下ろして日本最古の唐寺・興福寺に祭り、出港時に再び戻す様を再現した行列です。

唐人屋敷の路地裏

少し趣は変りますが、唐人屋敷のあった館内(かんない)では、福建会館や土神堂(どじんどう)、后天堂(こうてんどう)など中国由来の建物が並び、昔ながらの市場や狭い通りなど、非日常の世界が今でも残っています。ふだんは住人しか通らないのですが、ランタンフェスティバル中は多くの人で混雑し、市場で売っている中華風の食べ物を立ち食いすると、タイムスリップした気分に浸れます。皆さんも、来年のフェスティバルに是非おいでください。

文、写真:脇田安大(わきたやすひろ)

2001.2.25 (C) Wakita Yasuhiro
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